Aug 2021 Mashiko, Tochigi
中目黒のネパールレストランADIを昨年オープンするにあたり、
「ネパールと日本の文化を新しい形で表現したい」というオーナーシェフの想いから、
通常金属で作られるターリー皿やカトリの製作を
依頼する作家さんを探していた際に、
知人から紹介してもらったことが陶芸家 中村哲雄さんとの出会いだ。
結果的に想像を超える素敵な器を作っていただき、今では店の顔になっている。
中村さんがもともとIT関連の会社員から一転、陶芸家を志し、
益子町に移住してきたのは今から10年前のこと。
会社員時代は、ロジックを軸に仕事をしてきたが、
ロジックではなく、感性を軸にして仕事ができないかと考えていた矢先に
知人の助言を元に陶芸を習い始めたという。
色々な陶芸の地域がある中、なぜ益子町を選んだのか
という質問に対して、他の陶芸の地に比べ、
益子は焼き物に対して自由度が高い土壌に感じられたと中村さんは言う。
伝統を受け継ぐだけでなく、移住者の受け入れも盛んで、
新しい挑戦も許容してくれる懐の深さがある町だそうだ。
今回、元々たくさんのリクエストをすでにいただいていた
この益子焼のターリー皿&カトリのセットを
collaboration projectの第一弾とさせていただいたのも、
これが職人さんと私たちのものづくりにおける本当に初めての試みだったから。
また、中村さんの作るお人柄がそのまま出たような
誠実で土の温もりをそのまま伝えてくれるようなこの器を
1人でも多くの方に届けたいと思ったからだ。
これからも益子町の片隅で静かに真摯に作品に向かいあう
中村さんの新しい挑戦を見守り続けていきたい。
△中村哲雄さん Tetsuo Nakamura
1975年、神奈川県生まれ。IT企業勤務を経て、
2012年、栃木県益子町に移住。
陶芸工房に勤務。若林健吾氏に師事する。
益子焼協同組合釉薬課に勤務し、2018年独立。
Link: https://toukiichi.mashiko.online/collections/d013-01
SNS: https://www.instagram.com/tetsuo._nakamura/